- 無垢材とは何ですか?
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木そのまま、混ざりものでない、つまり合板やベニヤ、コンパネの様な貼り物(フラッシュ製法)でない材料のことです。当工房では無垢材のみを使用して家具を制作しています。
- 無垢材の長所、短所は何ですか?
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長所は使い込めば込むほど味わいが出てきて、次第にアンティーク家具になっていきます。本物だけが持つ重厚感やぬくもりを感じることができます。頑丈で耐久性に優れています。再生(リフォーム)ができ、きれいに蘇ります。オイルフィニッシュの場合メンテナンスができます。一点もののため代わりがなく愛着が持てます。ボンドの使用が少ないため健康に良いです。
短所はフラッシュの家具に比べ価格が割高になります。重いので移動が大変です。反りや割れが出やすいので注意して使う必要があります。
- 無垢一枚板とは何ですか?
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幅の狭い無垢板を複数枚接ぎ合わせた板ではなく、原木そのままを加工した材料になります。正真正銘の一枚板の事を指し、重厚で高級感があるのですが、市場では高額で取引される場合が多いです。近年少なくなって来ています。
- アッシュについて
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北米産の広葉樹になります。白っぽい色合いなのでどの家具にも合わせやすいです。
材質はタモに似ており、タモに代わる材として近年人気が出てきています。
木目も美しく、オーク、マホガニー、ブラックウォールナットと並ぶ四台銘木になっています。
- ビーチ(ブナ)について
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日本の木ではブナの木に当たります。
ブナ科の広葉樹で、アメリカンビーチとヨーロピアンビーチがあります。
木目はきめ細かく、ビーチ材最大の特徴である小さな斑点が全体に入っており、色調は淡くピンクがかった乳白色をしています。
強度が高く、弾力性があり、曲げ木加工を施した名作家具で使用されていることも多い木材です。
- 栃(トチ)について
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栃は欅と並び国産の広葉樹の代表格となります。板を赤身(心材)と白太(辺材)と区別するのも栃の特徴です。
一枚一枚の板が個性豊かで、時には同じ木?と感じてしまう板もあります。
縮み杢や波状杢などの大変美しい杢が現れたり、オイルを塗ることによって太陽光線等に反射してきらきら光って見えるのも栃の持つ魅力の一つです。比較的幅広 の板が手に入るので、大きなテーブルや座卓をご希望の方にはオススメです。
価格帯も 幅広く、カタチも整ったものから曲がったもの等好みに応じたものが手に入りやすいです。
- 欅(ケヤキ)について
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欅(ケヤキ)は古くから国産の広葉樹の代表格とされ、アジアの一部と日本に分布(本州、四国、九州)しています。動くような木目が美しく、磨くと著しい光沢を生じ、また、堅くて摩耗に強いので家具材として昔から根強い人気があります。
樹齢300年を超える古木の中には、「牡丹杢」「縮み杢」「珠杢」と呼ばれる美しい杢が現われることも多く、市場では高額で取引されています。色は黄褐色から黄色を帯びた紅褐色で、オイル仕上げによって美しい色艶になります。
現在では高樹齢の大木を入手するのは困難な状況となっています。
- 楢(ナラ)について
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美しい木肌を持ち、「森の王様」と呼ばれています。
板目でははっきりとした年輪が現れ、柾目では優しい雰囲気の中に「虎斑(トラフ)」と言われる杢が現れやすくなり、個性豊かな表情を楽しむこともできます。
また国産材の気品ある高級感も根強い人気となっています。ウイスキーの樽として用いられ、日本を代表する銘木であり、「ドングリのなる木」としても親しまれています。
- タモについて
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家具材としてポピュラーで比較的手に入りやすいこともあって根強い人気があります。野球のバット材としても有名で大変堅い木でもある反面、神秘的な木目の美しさから「白木の女王」とも呼ばれています。
年輪がはっきりとして比較的素直な木目をしています。その木目が気になる場合は柾目が使われます。タモは接ぎ板で加工されることが多いですが、一枚板もその流れるような木目の美しさからとても人気があります。
- 栗(クリ)について
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栗と言えば、天津甘栗、栗ようかん、モンブランなどの美味しい甘いお菓子を思い起こします。実は栗の実だけでなく、栗の木そのものも、加工の段階で甘い香りがすることもあります。心材は腐りにくいということで、昔は建築土台として使われていました。楢や欅に比べて素朴な感じがします。タモよりやや濃い色目となります。
- モンキーポッドについて
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中南米、西インド諸島、フロリダ、ハワイなどに自生するマメ科の広葉樹。
この木何の木?気になる木♪で有名な日立のTVコマーシャルに映っているのがこの木です。濃色の條があることによって出来る美しい面が特徴です。
サラダポールなどの刳り物に加工され熱帯地方の土産物としてよく利用されます。
- 山桜(ヤマザクラ)について
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ピンク色からやや赤味がかった色合いが美しく、艶もある優美な仕上がりが魅力的です。量が取れないので高値で取引されていますが、それでもこの美しさに魅了されてしまったら惜しくないと感じてしまうほどです。
アメリカンチェリーと同様、経年変化によってかなり濃い色へと変わっていきます。そこがまた魅力の一つになっています。幅広の木は少なく接ぎ板で制作されることが多いです。
- ブラックウォールナットについて
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木目のグラデーションが美しく、「木の宝石」と言われるほどしっとりとした深い色合いをしています。マホガニー、チークと並ぶ高級材でもあります。強度もあり非常に堅い木です。
幅広の木もありますが、非常に高価な価格で取引されるため、接ぎ板での制作も多いです。家の中にウォールナットの家具が一つでもあると部屋の雰囲気が一変するので、多くの人の憧れの材でもあります。
ブラックウォールナットは出来上がった当初は濃い茶褐色(チョコレート色)をしています。しかし、年月が経つうちに次第に色が明るくなっていきます。
- 胡桃(クルミ)について
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色は薄茶色で、年輪があまりはっきりしない分、木目の感じが優しく、柔らかい雰囲気を持っています。肌触りも滑らかで当工房では特に女性のお客様に人気があります。
比較的軽いので移動するのも楽です。幅広の木は少なく接ぎ板で制作されることが多いです。
当工房のダイニングチェアーE(胡桃チェアー)も座り心地の良さで人気商品となっています。
- ミズメについて
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ミズメはカバノキ科の樹木で、材は堅く、木理は美しく、弾力があり良質な材です。サクラの樹皮に似ているのでミズメザクラとも言われているようです。
ねばりがあるので、昔は弓の材料にもされ、ミズメで作られた弓は「梓弓」と呼ばれていました。というわけで「アズサ」という別名もあります。
材としてもヤマザクラに近く、白太も含めた材全体が少し黒みがかったピンク色をしています。
- チークについて
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チークはマホガニーと並ぶ優良高級材の銘木です。材質は堅く強靭で耐久性、耐水性があり、病害虫にも強いです。天然の油成分があって、オイルで手入れしなくてもしっとりしています。よく乾燥させた場合は伸縮率が小さいので家具に向いています。大変高値で取引をされていて貴重な材になっています。
- ブラックチェリーについて
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使い込むほどに淡い桃色から美しく深い飴色に経年変化をしていく姿はあまりにも有名です。木肌は緻密で滑らかで大変美しく仕上がります。
アメリカ産の広葉樹の中ではウォールナットに次ぐ高級材とされています。日本の朱利桜に似た色目です。幅広の木は少なく接ぎ板で制作されることが多いです。木には直径1cm程の果実が実り、日本のさくらんぼより価格も安いためその時期はスーパーでも多く店頭に並びます。
樹脂が細胞の隙間に溜まり、点や筋状の変色が見られるガムポケット(樹脂痕)が現れるのも特徴の一つです。
ブラックチェリーは出来上がった当初はピンクがかった薄い茶色をしています。しかし、年月が経つうちに濃い赤褐色に変化していきます。最初の一年くらいの変化が大きくそれ以降の変化は少なくなります。
- ハードメイプル(カエデ)について
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日本の木ではカエデに当たります。
真珠のような透き通った白さで、美しくきめ細やかな木肌を持っています。
今人気のメイプルシロップが取れる木としても有名です。見た目と違い非常に堅く強度もあり重いです。
寒さに耐え抜いた木であるため、衝撃や摩擦にも強く床材としては多く使われています。また家具になると目を見張るほど美しいものに仕上がります。幅広の木は少なく接ぎ板で制作されることが多いです。
- 栓(セン)について
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色目は白っぽく、板目では年輪が明瞭な模様になって現われます。
時にはいろいろな杢(もく)が現われるものがあります。
以前はケヤキと木目が似ているため、着色して代用品で使われていました。
柔らかい雰囲気と美しい木目で家具材として人気が高いです。
- 柾目と板目はどう違うのですか?
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柾目(まさめ)とは、木の中心軸(丸太心)から放射線状に平行になるように製材した材料の事を言い、板目(いため)とは、木の中心軸から丸太の縁方向に平行にずらして製材した材料の事を言います。柾目と板目では90度角度が異なる取り方になります。
柾目は木目が通って縦縞模様に見え、清楚で安らぎ感のある表情になります。1本の木から多く取れないために価格は高くなりますが、狂いの少ない良材が取れます。
尚、完全に放射方向に沿って切り出した材を本柾目(ほんまさめ)、放射方向より多少ずらして切り出した材を追柾目(おいまさめ)と呼びます。
板目は不規則な竹の子模様のような、木材独特の非常に綺麗な模様が現れます。幅広の材が取れ、しかも1本の木から多く取れますので、価格も柾目よりお値打ちで安定供給が可能となっています。
- 乾燥材とは?
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まず木を加工して家具を作る場合、必ず乾燥させてから作らなくてはいけません。乾燥させずに家具を制作すると水分の蒸発と共に必ず割れや反りが発生します。(十分に乾燥させても環境により発生する場合はあるのですが…。)
当工房では一枚板も接ぎ板も天然乾燥(自然乾燥)と人工乾燥を長期間に渡って行われた十分に乾燥した板を使用しています。
- どのように乾燥させるのですか?
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まず、太陽の元で桟で積み上げて自然に乾燥させます。(天然乾燥) その後、ボイラーの中の熱気で強制的に水分を抜き取ります。(人工乾燥) その後、又、自然の状態に置き元に戻します。この2種類の乾燥を行って、初めて加工可能な材木が出来上がります。
天然乾燥におよそ数年、人工乾燥におよそ1ヶ月~2ヶ月必要ですので、トータルの乾燥期間は数年以上かかります。
- 割れや反りはどのように抑えていますか?
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活きている木を使用するため、木の呼吸により材料は伸縮します。
そのため、お買い上げ頂いた後も呼吸をし続けることにより、反りやひびが生じる場合があります。そういった無垢材の特徴をよくご理解頂きますようお願い致します。
当工房では十分に乾燥(自然乾燥と人工乾燥)させた乾燥材を用いると共に、豊富な経験と技術を用いて反りや伸縮を最大限抑えるようにしています。環境に寄る所も大きいので、以下の場所での使用は避けて下さい。
1. 屋外や水のかかる場所
2. ストーブ(特に暖炉や蒔きストーブ)の熱、エアコンの風、直射日光が直接(すぐ近くで)当たる場所
3. 高温、多湿、著しく乾燥する場所、急激に温度・湿度が変化する場所
基本的に木は湿度に合わせて動き(伸縮し)ます。従いまして、急激な乾燥や湿気に対応しきれない場合も出てきます。上記の場所での使用を避けると共に、湿度の低い時は加湿器を使う事をお勧め致します。
また、暖房を使う冬場は、一枚板や2枚接ぎは特に到着してすぐの急激な暖房を避けて下さい。突然の割れやひびの誘因になります。環境の変化によって割れ等は起こりやすいです。またじわじわではなく到着後2週間以内起こることが多いです。
反りに関しましては、当工房では天板裏に反り止め桟を付け、反りを抑えるようにしています。丸テーブルや学習机は十字型の桟や幕板が反り止めを兼ねています。丸テーブル4本脚タイプ幕板なしは反り止め桟が付いています。
炬燵の天板は、使い始めはヒーターの熱で反りが出やすいので裏表をひっくり返す作業を数回行ってください。
- 接ぎ(ハギ)とは何ですか?
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接ぎ(ハギ)とは、複数の板を巾方向で接着して一つの板にするという意味です。つまり「ハギ」とは「接ぎ」を意味します。接いで作りますので一枚板よりも十分な大きさの天板を確保できますし、ご希望のサイズの天板の制作も可能となります。
二枚接ぎのテーブルの魅力は、出来上がりの木目の美しさにあります。二枚接ぎのほとんどは、共木(同じ丸太から取った板)で作ります。但し、一枚板を2枚接ぐということですので、技術も要し、高価なものになります。そのため、一枚板と変わらない雰囲気を持つことができます。
その点、複数枚の接ぎ板は価格も手ごろな上、ご希望のサイズで仕上げることができるため人気が高いです。
- 接ぎの工法には何がありますか?
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接ぎ(ハギ)の工法には「雇い実(やといざね)はぎ」や「いもはぎ」等の工法があります。
雇い実(やといざね)はぎは、「両木ば(接合面)」に「いもはぎ口(溝)」をつくり、さらに中央部に板厚の約1/3幅の溝を設けて、その中に「さね(堅木の桟)」を入れて、接着剤を用いてすり合わせて接着するという工法です。
いもはぎは、接合面に接着剤を用いて接合しただけの工法です。雇い実(やといざね)はぎは、いもはぎに比べて接着面積が3倍以上になリます。また、さね自体の強度が加算されるので強度が倍化されます。
従いまして、接合面がはがれてきたり段差ができたりというようなトラブルが極めて少ないです。その分、雇い実(やといざね)はぎはかなりの手間暇と技術を要します。(完成した板をカットする場合はこの雇い実が見えてしまいますが、気になるものではございません。)
当工房では接ぎの工法に「雇い実(やといざね)はぎ」または近年は「ビスケットチップを使用したビスケットジョイント」を行っています。